パワーポイントで楽々動画を作る方法
「動画を作りたいけれど、専門ソフトは難しくて手が出ない」という声をよく聞きます。
そこで、なじみのあるパワーポイントを使って動画を作る方法をお伝えします。
今まで作ったパワーポイントスライドも元素材として使えます。
目次
1パワーポイントにおける動画の考え方
パワーポイントでは、プレゼンテーションスライドの文字や画像、図形に動きをつけます。またビデオカメラやスマートフォンで撮影した動画をスライド内に挿入し、再生させることできます。最終的には、スライドを動画形式として保存することでパワポスライドを動画形式にします。
パワーポイントスライドを動画として保存するのか、
ビデオカメラやスマートフォンで撮影した動画を挿入するのか、
さらに、スライドに挿入した動画と別スライドを1本の動画として保存することができます。
次の3種類を明確に区別して認識することで、パワーポイントで作る動画の理解を深めます。
1-1 パワポスライドを動画として保存する
今まで使っていたパワーポイントで作ったスライドを、そのまま動画として保存する感覚です。とはいえ、そのままでは何も動かずにつまらない紙芝居になっていまいます。
ですから、動きが見ている人に印象を与える動画にするには、この後説明する画面切り替えやアニメーションを使って素材を動かす必要があります。
スライドショー動画
何を動かすのか?
それは、背景(画面切り替え)や文字、テキスト、そして写真素材や図形です。
撮影した動画を使わなくとも、このような動画を作ることができます。
画面切り替え(トランジション)やアニメーションで文字、画像を動かす方法は
後ほど詳しく説明します。
1-2
パワーポイントに撮影した動画を挿入する
今までビデオカメラやスマートフォンで撮影した素材をパワーポイントで再生させたい場合は、
このような方法で挿入することができます。
パワーポイントスライドに動画を挿入する方法を解説します。
操作方法はこちらの動画を参照ください。
パワーポイントに動画を挿入する方法
あらかじめ、ビデオカメラやスマホで撮影した動画はWindowsムービーメーカー、imovie 等の
ソフトを使って 必要な部分を抜粋しておきます。
ムービーメーカーの場合
ビデオツール→分離→不要な部分を削除
ムービーメーカーで不要部分をカットする方法の説明動画はこちら
挿入する動画は長いものでも構いませんが、操作するパソコンのスペックによって、長い方が途中で作業が止まったりするトラブルが起こりやすくなります。最初は30秒や1分、長くても5分程度の動画で試してみましょう。
挿入する動画は形式はmp4又はwmv(Windows Media ビデオ)が望ましいです。
パワーポイント2010版ではwmv形式の動画しか挿入できない場合があります。
そのような場合は、ムービーメーカーなどのソフトで動画形式をwmv形式に変換して保存します。
挿入したい動画の準備ができたら、パワーポイントを開き、挿入するスライド上で、
挿入→ビデオ→
コンピューター上のビデオを選択
挿入するビデオファイルを選択するとスライドに動画が貼りつきます。
注意点は、再生のコマンドをクリック時→自動に変更しないと動画が再生されません。
初期値はクリックしたら動画が再生されるようになっているためです。ビデオファイルを選択して、再生→クリック時を→自動 へ変更します
1-3
スライドと動画を挿入したものを合わせて保存する
パワーポイントで通常のスライドと動画を挿入したスライドをまとめて、全体で一つの動画ファイルにすることができます。
例えば、1枚目のスライドにオープニングのタイトルを入れ、2枚目のスライドに動画を挿入します。最後に3枚目以降に、お問い合わせ先や検索ワードの提示などを入れます。
2枚目に動画を挿入して、スライドと挿入した動画を1本の動画として保存したもの
参考動画はこちら
1-4保存の際の注意点(動画ファイル形式)
パワーポイントスライドを動画ファイルとして保存する場合、mp4(MPEG-4)、又はwmv(WindowsMediaビデオ)の2種類があります。
Windowsパソコンを使っている場合は、wmvの形式を使うことをお薦めします。
一般的には、動画というとmp4と思う方が多いのですが、Windowsパソコンでパワーポイントを動画として保存する場合は、圧倒的にwmvファイルが相性がいいのです。
参考動画はこちら
通常はそれほど支障はないです。しかし、Windowsパソコンで保存したmp4動画ファイルをYoutubeにUPすると、画像が間引かれて、カクカクと動きが不自然になることがあります。
基本的には相性の問題で、Windowsパソコンの場合は、wmv形式で保存する、と覚えてください。
Macパソコンで保存する場合は、mp4形式で保存しても滑らかに動きますので、mp4形式での保存で大丈夫です。
2動画にする場合の動きの付け方
パワーポイントスライドを動画として保存する場合、動きをつける方法は主に2つです。
一つ目は「画面切り替え機能」を使う
二つ目は「アニメーション」で動かす
それぞれ説明していきましょう。
2-1
画面切り替え(トランジション)を活用
画面切り替えの活用の仕方
パワーポイントは、1枚目のスライドから次のスライドに移る際に動きを受けることができます。
これは画面切り替えタブをクリックして切り替え効果の種類を選ぶ(クリックする)だけなので
とても簡単に活用できます。
「今 選択しているスライドが現れる際に、この動きをしながら現れる」ことに気をつけましょう。
ですから、1枚目のスライドに画面切り替えを設定すると、始めに黒い画面が現れて切り替え(トランジション)の動きがついて1枚目のスライドが現れます。
補足として、スライドから次のスライドに移る場合、初期設定は「クリック時」に設定されています。
パワーポイントは原則 話者がスライドを送ることが想定されています。
動画として保存する場合は、画面切り替え画面で、画面切り替えのタイミングを「自動的に切り替え」を設定します。これは一枚一枚スライド毎に設定する必要があります。1枚目のスライドに「自動的に切り替え」を設定したら、そのスライドを複製して、2枚目、3枚目のスライドを作っていくといいでしょう。
2-2
アニメーション(文字を動かす)
アニメーションで文字を動かそう
文字や挿入した画像を動かすには、アニメーション機能を使います。
先に、テキストボックスや画像を挿入します。
そのテキストボックスを選択し、アニメーションタブをクリックします。
星のマークとアニメーションの種類が表示されます。
アニメーションには大きく分けて三つの種類があります。
開始のアニメーション、強調のアニメーション、終了のアニメーションです。
使いやすいのは、開始のアニメーションです。
例えば、スライドインをクリックすると、テキスト又はオブジェクトが指定した方向から飛び込んできます。
フロートインはゆっくりと浮かんで現れて表示されます。
どのアニメーションも星の印をクリックするとプレビューされます。
動きを確認して、作りたいイメージに合うものを選択します。
動きのアニメーションを指定した後に、テキストボックスや画像を選択した状態で、効果のオプションをクリックすると「どの方向から動かすか」を選択することができます。
選択肢が表示されますので、アニメーションによって効果のオプションで表示される方向の数は違います。
横書きの文字であれば、スライドインで、効果のオプション「右から」を選択すると、
右から左へ動き現れる文字となります。
横書き日本語はこの「スライドイン、右から」が読みやすいです。
そして、動画にする場合には、次の作業が必要です。
アニメーションの開始を「クリック時」から直前の動作と同時、または直前の動作の後に設定します。この変更をしないと、動画として保存した場合に自動で動き出しません。
パワーポイントは基本的にプレゼンターがクリックしながら、プレゼンを進めていくものなので、
「クリック時」に動く、ということが初期値になっています。
動画では、クリックせずにすべての動きがスムーズに行われることが前提となります。
ですから、アニメーションを設定したら、すべて開始を「クリック時」から「直前の動作と同時」又は「直前の動作の後」に変更すると、覚えておきましょう。
「直前の動作と同時」とは、「そのスライドが始まったらアニメーションが動き始める」という意味です。そして、2番目3番目のアニメーションは「直前の動作の後」を選択し、一つ目のアニメーションが動き終わったら、2番目、3番目のアニメーションが動き出すようにします。
画像(写真)を動かす場合も同様です。
この動きの時系列は、アニメーションwindowで確認することが出来ます。
他にも、強調のアニメーション、終了のアニメーションがあります。
アニメーションのタブをクリックして、星の印の右端にはる下▼印をクリックすると、他の効果のアニメーションが表示されます。
強調のアニメーションには、シーソー、スピン、拡大/縮小などがあります。
終了のアニメーションは、動いて終わる(消える)方法を指定します。
ワイプで現れ、シーソーでブラブラ揺れて、ランダムストライプで消える
というように複数のアニメーションを指定することもできます。
その場合は、最初のアニメーションを設定した後に、アニメーションの追加をクリックしてから次のアニメーションを選択します。アニメーションの追加をクリックしないと、初めに設定したアニメーションが消えて、次にクリックしたアニメーションのみになってしまいます。
アニメーションは順番を前にする、後にする、で順序変更できます。またアニメーションの継続時間(どの位の時間アニメーションが動くか)、また遅延(何秒遅れてからアニメーションが始まるか)を指定することで、動きを制御します。アニメーションwindowで右クリックするとタイミングや効果のオプションやタイミングのボックスが現れ詳細を指定することができます。
2-3
アニメーション(画像・写真を動かす)
ここでは写真素材をゆっくりクローズアップ(拡大)させる方法をお伝えします。
動画素材がなく写真素材だけでも、この効果を使うと、見栄えのする動画を作ることできます。
文字+写真素材(+イラスト、図形)だけでも十分動画が作れます。
写真素材をゆっくりクローズアップさせる方法↓
まず、スライドに画像(写真)を挿入します。
画像を選択した状態で、アニメーションタブをクリック。
星印の右端にある下▼印をクリックすると、アニメーション一覧が表示されます。
中央の協調のアニメーションから、拡大/縮小を選びます。
これで画像が拡大するように動き始めます。
初期値は2秒で150%拡大する設定です。
アニメーションの開始を「クリック時」から「直前の動作と同時」に変更します。
(スライドが変わったらすぐに拡大が始まるようにするため)
継続時間をスライドが切り替わるまでの時間に設定します。
(スライドが8秒で次のスライドに切り替わるなら8秒間)
アニメーションwindowを開き、拡大のアニメーションを示すリボンを右クリックします。
タイミング→サイズ ユーザー設定で%を入力。
ジワジワと大きくなるなら、5秒で110% 8秒で120%、10秒で130%程度がお勧めです。
スライドを何秒間表示させるかに合わせて、スライドが表示されている間ずっとじわじわと拡大していくといいでしょう。
【まとめ】
パワーポイントで動画を作る場合、画面切り替えやアニメーションで動きを付けます。アニメーションには様々な動きがあります。組み合わせることで自在な動きを表現することができます。
撮影した映像を挿入する、文字や画像、イラストやグラフなどを動かすことで印象に残る動画を作りましょう。

山根聡子

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